Ethereum L2の選定は、DeFiプロジェクトの設計において早い段階で決める必要があります。ArbitrumとOptimismはどちらもOptimistic Rollupを使っていますが、実装の詳細とエコシステムの成熟度に違いがあります。どちらが「優れている」かではなく、プロジェクトの要件に合うかどうかで選びます。
技術的な違い:仮想マシンとフォールトプルーフ ¶
ArbitrumはAVM(Arbitrum Virtual Machine)を使い、後にNitroアップグレードでEVM互換性を高めました。フォールトプルーフの仕組みはインタラクティブな詐欺証明を使います。OptimismはOVM(Optimism Virtual Machine)からBedrock以降はEVMと同等の実行環境に移行しました。フォールトプルーフはシングルラウンドの証明を使います。実務上の違いは、既存のEthereumコントラクトをどちらにデプロイするかで、ほとんどの場合は大きな差がありません。
ガスコストの比較 ¶
2026年時点では、ArbitrumとOptimismのガスコストは近い水準にあります。どちらもEthereumのL1ガス価格に依存するため、L1が混雑すると両方のコストが上がります。実際のコストはトランザクションの種類によって異なります。GasMapのL2比較機能では、直近24時間の平均コストを確認できます。プロジェクトの主要なトランザクション(スワップ、流動性追加、引き出し)のガスコストを実際にテストネットで計測することを勧めます。
エコシステムと流動性 ¶
Arbitrumは2026年時点でL2の中でTVL(Total Value Locked)が大きく、DeFiプロトコルの数も多い。GMX、Camelot、Radiant Capitalなど、Arbitrum固有のプロトコルが育っています。OptimismはOP Stackを使ったスーパーチェーンの展開が進んでおり、BaseやZoraなどのチェーンと流動性を共有する方向に動いています。既存のユーザーベースにアクセスしたい場合はArbitrum、将来のスーパーチェーンエコシステムを見据える場合はOptimismが選択肢になります。
ブリッジの待ち時間 ¶
Optimistic Rollupの特性上、L2からL1へのネイティブブリッジには7日間の待ち時間があります。これはArbitrumもOptimismも同じです。実際には、サードパーティのブリッジ(Across、Stargate、Hop)を使うことで待ち時間を数分に短縮できます。ただし、サードパーティブリッジは追加のリスクを伴います。プロジェクトのユーザーがどの頻度でブリッジを使うかを想定して、ブリッジ戦略を設計することが重要です。
L2の選定はプロジェクトの初期段階で決める必要があります。後から変更するコストは大きい。具体的な選定について相談したい場合は、DEXインフラ設計のサービスページをご覧ください。